【AV出演強要・東京】AV出演強要3人逮捕 制作会社経営者ら 淫行勧誘など容疑

アダルトビデオ(AV)への出演を強要される女性が相次ぐ問題を巡り、警視庁は十九日、AVの出演経験がない二十代女性を勧誘して無理やり出演させたなどとして、淫行勧誘などの疑いで、いずれも東京都内のAVプロダクション元社員と制作会社経営の男計三人を逮捕したと発表した。一般女性へのAV出演強要という悪質性を考慮し、刑法の淫行勧誘容疑を適用するのは異例。

淫行勧誘罪は売春婦らではない、一般女性を勧誘し、営利目的でみだらな行為をさせた場合に適用。AV出演強要に対し、これまでは労働者派遣法違反などの適用にとどまっていた。

保安課によると、逮捕したのはプロダクション「ディクレア」元社員、●●●●(35)=横浜市西区みなとみらい五=と、制作会社「ビエント」経営●●●(51)=東京都中野区弥生町五=の両容疑者ら。●●容疑者ら二人は容疑を認め、●●容疑者は「(女性が)初めて出演するという認識はなかった」と否認している。

逮捕容疑では、二〇一五年六月、AVの撮影映像が無修正で配信されることを隠し、出演を拒んだ女性に「あなたのプロフィル写真を撮影するのにいくらかかっていると思っているの」などと言い、中野区の撮影所で男性相手に性行為をさせたなどとされる。

「一本ぐらいは出てもらわないと」「ギャラを考えると、いい話なんだよ」としつこく説得し、一本の撮影契約だったのに、現場でいきなり複数の映像を撮影していた。映像は海外の配信会社を通じてネット配信され、制作会社は約五百二十万円、プロダクションは約六十万円を得ていた。

撮影後、女性には約二十万円が渡されたという。被害女性らを支援するNPO法人から警視庁に被害相談があり、発覚した。

◆個人情報握り「親にばらす」
AVの出演強要被害が相次ぐ背景には、女性らを拒否できない状況に追い込むプロダクションや制作会社の強引な手口がある。二〇一六年六月にもプロダクション元社長ら三人が逮捕されるなど、被害相談に応じる二団体には昨年、計九十九件の相談が寄せられた。NPO法人「ライトハウス」(東京)の広報担当瀬川愛葵(あいき)さんは「動画を削除したいという出演後の相談が圧倒的に多い」と明かす。

被害に巻き込まれるきっかけとしては、モデル関係の仕事を装った街頭でのスカウトのほか、最近は会員制交流サイト(SNS)などで「短期間で高収入のアルバイト」をうたった勧誘が目立つ。所属先となるプロダクションは面談時、「未成年でないことを確認したいから」と、顔の横に学生証を掲げた写真を撮ったりして個人情報を握る。

女性らは「専属モデル契約」などと書かれた契約書を交わす際、内容を細かく確認しないままサインさせられるケースが多い。プロダクションと制作会社がAV出演を勝手に決め、撮影前日や、当日に現場で初めてAVと知らされる人も。拒否しても、高額な違約金とともに「親や学校にばらす」などと脅される。

関係省庁の対策会議は昨年五月、若者への性暴力に関する相談、支援のあり方の調査研究を進める方針を決めた。瀬川さんは「業界にルールがなく、今は野放し状態。国が監督官庁を決めて、チェックできる仕組みをつくる必要がある」と指摘する。

 

(東京新聞 2018年1月19日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201801/CK2018011902000251.html?ref=rank


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