【労働搾取・岐阜/愛知】新日系フィリピン人:「工場で仕事」実はパブ 手口を証言

父の面影を求めた“祖国”で、約束はほごにされた。日本人の父親とフィリピン人の母親の間に生まれた「親日系フィリピン人」(JFC)らが働いていた岐阜、愛知両県のパブが、入管法違反容疑で岐阜県警の家宅捜索を受けた。来日に関わったブローカーの男の下から逃げ、今も息を潜めて暮らす女性らが、約束にないパブでの労働を強いる手口を毎日新聞の取材に証言した。
「お金は要らない。ただ、工場で4年間働いてほしい」。大学生だったJFCの女性(20)はフィリピンの首都マニラで昨年6月、日本人の男に来日を持ちかけられた。女性が生まれて9カ月後に姿を消したという日本人の父親。その戸籍には入っておらず、20歳の誕生日までに申請しないと日本国籍を取れない。日本大使館に相談しても話が進まず途方に暮れていた時、「JFCを支援している」という「国際財団」の男を知人に紹介されたのだ。自分は、周りの友人や親族とは顔つきも、時に振る舞いも違う。私は何者なのか。日本という国や日本人を知れば父に近づき、自分のことも分かるのではないか。「お金だけの問題じゃない。アイデンティティーの問題」。そんな思いで来日を決めた。だが大学をやめて7月に来日すると、中部国際空港に迎えに来た男の車は岐阜県のパブに直行した。数日後、初めて“借金”があると告げられた。食費もただという触れ込みだったが、「ご飯を食べるだけでも借金が積み上がる」と言われた。経費が60万円かかったとも言われ、隠れて泣いたが、酔客の接待を断れなかった。別の女性(34)もこの男を頼り、日本人との間に産んだ長男(10日本国籍=と昨年4月に来日。だが、パスポートを取り上げられ、名古屋市のパブで働かされた。長男を通学させる約束は破られ、外出も止められた。来日前に30と約束された月給は8万円しかなく、「逃げれば罰金150万円。(男の)兄弟がヤクザだから、どこに行っても見つける」と脅された。だが長男の将来を考え、男がフィリピンに渡った昨年8、隙(すき)を見つけて逃げ出した。
入管法違反の容疑でフィリピンパブに捜索に入る岐阜県警の捜査員ら=岐阜県美濃加茂市で2015年2月13日午後10時10分
(毎日新聞 2015年2月14日)
http://mainichi.jp/select/news/20150214k0000m040126000c.html


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